登録販売者初心者🔰さんのお手伝い ー医療用医薬品の解説ー

お薬関連

『次の医薬品の投与を受けている人』に書かれている医療用医薬品

医療用医薬品は、分類成分名(一般名)商品名(※)があります。一般用医薬品の注意書きに書かれている医療用医薬品も種類を書かれていたり、成分名が書かれていたり、商品名が書かれていたりとバラバラで、覚えるのは不可能ですし、覚えなくてもいいです。知らなくて当然なので。お薬手帳を見せられても、成分名はあっても、種類は書かれてないし、商品名が書かれていても成分名が書かれていないこともあります。さらに、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の名前だけとかになると、もうお手上げです。
ただ、基本編に書いたように、注意書きに書かれて『登録販売者に相談』と表示されている限り、全く無視することはできません。

なので、『何を書かれているのか』だけ少し知っておけば、対応や判断に戸惑わなくて済みます。

薬剤師さんが在籍している店舗では、薬剤師さんに判断を委ねましょう。

(※)私たちが知っているもので例えると、

 分類(中分類):ヒスタミンH1受容体拮抗薬
 成分名(一般名):フェキソフェナジン
 商品名:アレグラ

といった感じです。

ニューキノロン系抗菌剤(分類)

感染症治療薬です。様々な感染症に処方されています。『抗生剤』とも呼ばれます。もちろん、患者さんに「ニューキノロン系の抗菌剤服用されていますか?」と質問しても分かりません。「なんか抗生剤は出されてるみたいだけどね」というくらいです。お薬名を聞いても判断は無理なので、抗生剤を服用していることがわかったら、種類に限らず選択肢から外しましょう。 

トリアムテレン(一般名)

心疾患や、高血圧の人に処方されています。分類は『利尿薬』、商品名は『トリテレン』です。

リチウム(一般名)

分類は『気分安定薬』です。精神を落ち着かせるのに処方されます。正式一般名は『炭酸リチウム』です。商品名『リーマス』。後発品『炭酸リチウム』

メトトレキサート(一般名)

関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、ベーチェット病などあらゆる疾患に処方されます。分類は『免疫抑制薬』です。商品名『リウマトレックス』『メソトレキセート』

抗悪性腫瘍薬として分類『葉酸拮抗薬』 商品名『メソトレキセート』

利尿剤(分類)

主に心疾患、高血圧の人に処方されています。
※糖尿病の方も高血圧を合併して処方されている場合もあります。

シクロスポリン(一般名)

あらゆる疾患に処方される免疫抑制薬(分類)です。

選択的セロトニン再取り込み阻害剤(分類)

抗うつ薬です。

ちなみに、ここまでに紹介したものは、外用消炎鎮痛薬の『ボルタレンEXテープ』の『相談すること』に書かれているものです。

次に、登録販売者試験の勉強に登場してきた医療用医薬品、その他の一般用医薬品の『相談すること』に記載されている医療用医薬品を紹介します。

ワーファリン(商品名)

ビタミンKによって血液を固まらせるようにする因子を作らせない(阻害する)ことで、血栓ができるのを防ぎます。

分類は『抗凝固薬』、一般名は『ワルファリンカリウム』です。

相互作用のある一般用医薬品の成分
・NSAIDs(作用が増強)
・アスピリン(作用が増強)
・ブロメライン(作用が増強)
・カンゾウ

相互作用のある食品、サプリメント
・セントジョーンズワート(作用が増強)
・コエンザイムQ10

抗凝固作用(血液をサラサラにする)を示す食品、サプリメント

・ビタミンKを多く含む食品(納豆・クロレラ・青汁など)
・イチョウ葉エキス
・にんにく
・玉ねぎ
・クランベリージュース
・ノコギリヤシ
・EPA(イコサペント酸エチル)・DHA(ドコサヘキサエン酸)
・ビタミンE

インターフェロン製剤(中分類)

C型肝炎治療薬(注射薬)
漢方薬の『小柴胡湯』との併用で間質性肺炎が起こりやすくなるとの報告で、併用禁忌。
※慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者さんへの小柴胡湯単独使用も、禁忌となっています。

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬(分類)

パーキンソン病の治療に処方されています。一般名はセレギリン塩酸塩、商品名はエフピー(後発品:セレギリン塩酸塩)です。

プソイドエフェドリン配合の鼻炎薬、総合感冒薬などに記載されています。
併用することにより、プソイドエフェドリンの作用が増強し、副作用が現れやすくなります。

ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)(中分類)

心疾患、高血圧のひとに処方されています。血圧を下げるお薬(降圧薬)です。いろいろ種類があります。
副作用に、『空咳』があります。
空咳の症状で来店された方には、血圧を下げるお薬を服用されていないか、確認をしましょう。

ACE阻害の作用の紹介はこちら → ACE阻害薬

知っていると役に立つ医療用医薬品

接客をしていると、患者さんから「私〇〇っていうお薬を飲んでる(または、使っている)の」と言われることがあります。もちろん、病院で処方されているお薬名を言われても、わからなくて当然なのですが、知っていると役に立つものもあるので、紹介しておこうと思います。コロナで有名になったのは『カロナール』(アセトアミノフェン)ですね。そんな感じです。

モーラステープ

外用消炎鎮痛薬です。ケトプロフェン製剤です。副作用に光線過敏症があります。こちらを使用していて、「きらしてしまったので、何か同じ効き目の湿布を」と言われる方で、ケトプロフェン製剤の湿布取り扱いのない店舗は、ロキソプロフェン製剤で代用できます。

ビオフェルミン、ビオフェルミンR

同じ整腸剤ですが、市販薬の『ビオフェルミンS』とは、配合されている菌が違います。特にビオフェルミンRは耐性乳酸菌で、市販の整腸剤には配合されているものはありません。
ビオフェルミンを処方されている人が、同じものを求めて来られた場合は、同じ効果が得られない可能性もあることを説明してから、店頭の整腸剤をお勧めしても良いかと思われます。

ディレグラ

アレルギー性鼻炎に処方されます。フェキソフェナジンとプソイドエフェドリンの配合錠です。アレルギー症状に鼻詰まりの症状を伴う方によく処方されています。

このお薬を処方されている方が、お薬を求めて来られた場合には、フェキソフェナジンと、プソイドエフェドリンの両方の相互作用を考慮しなくてはいけません。

お薬をきらしてしまって、同じようなものが欲しいと言われたら…
・2週間以上服用していないか
・鼻詰まりの症状が改善していないか
を訪ねましょう。

基本ディレグラは2週間を超える服用は、医師による受診が必要な為、受診勧奨です。
鼻詰まりの症状が改善している場合は、フェキソフェナジン製剤のみで様子をみてもらいましょう。それで、鼻詰まりの症状がまた出るようなら病院を受診するように伝えましょう。

ザイザル

アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚掻痒症などに処方されています。第二世代抗ヒスタミン薬。成分名はレボセチリジンです。セチリジンの光学異性体。

セチリジン製剤の商品が出ています。同じものをと言われた時には、こちらをお勧めしてもよいでしょう。

ちなみに、同じセチリジンの医療用医薬品の商品名は『ジルテック』です。

ムコダイン

去痰成分です。成分名は『カルボシステイン』です。

ムコソルバン

去痰成分です。成分名は『アンブロキソール塩酸塩』です。

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