膀胱炎
膀胱炎は、細菌（大腸菌など）が外尿道口から入り込み、膀胱内で増殖して炎症を起こす病気です。膀胱に長時間尿を溜める（尿意を我慢する、または長時間排尿しない）ことにより、膀胱の機能が低下した時、ストレスや疲れで身体の抵抗力が下がったときなどに発症しやすくなると言われています。
主な症状
＜軽度＞
- 頻尿（トイレに行ったのに、すぐまた行きたくなる感じ）
- 排尿痛（排尿し終わり頃にジンジンする痛み）
- 残尿感（尿が出し切れていない感じ）
- 尿が白く濁ることもある
＜重度＞
- 上記の症状が強く出ている
- 血尿（オレンジ色または鮮血色）が出ている
対処法
＜軽度＞の方
腎仙散またはボーコレンで様子を見てもらいましょう。薬を服用する際、同時に水分をたくさん摂って、細菌を押し流すイメージで、おしっこをたくさん出すようにアドバイスしましょう。
また、薬を服用しても症状が改善しなかったり、悪化（血尿が出たり、症状が強く出る）したりした場合は、早めに受診することもお伝えしましょう。
＜重度＞の方
OTC医薬品で対処せず、早めに病院を受診してもらうよう伝えます。以前、腎仙散やボーコレンで症状が治まったと言われても、却下です。OTC医薬品で対処していると、慢性膀胱炎に移行したり、腎盂腎炎になるリスクも高くなることを丁寧に説明して、納得していただいて病院を受診するよう促しましょう。
腎盂腎炎
細菌が外尿道口から入り込み、膀胱、尿管をさかのぼって、腎臓の腎盂というところにたどり着いて増殖し、炎症を起こします。放置したり、処置が遅れたりして、そこから細菌が全身にひろがると、敗血症を起こし、多臓器不全（心臓、肝臓、腎臓などが機能しなくなること）になり、最悪、死に至ることもあります。
主な症状
膀胱炎症状に加えて
- 発熱
- 背中と腰に痛み
対処法
緊急を要します。すぐに病院を受診するよう伝えましょう。夜間や休日の場合でも、市販薬で対応せず、夜間休日診療の医療機関を探して受診してもらいましょう。
注意すること
他の病気などで病院に通院して薬を服用している方、または、他の市販薬を服用している方は、薬の副作用として膀胱炎様症状（膀胱炎のような症状）が出ている可能性もあります。その場合は、膀胱炎の薬では対処できないので、受診勧奨です。
膀胱炎様症状の副作用が出ることのある市販薬の例
・ケトチフェンフマル酸塩配合のお薬
・漢方薬 柴胡桂枝湯 柴朴湯 柴苓湯 小柴胡湯
また、糖尿病の方や、免疫抑制剤やステロイド薬を使用中の方は、感染症にかかりやすく重症化もしやすいので、膀胱炎症状で来店された時は、速やかに病院を受診するように伝えましょう。
