登録販売者初心者🔰さんのお手伝い ー慢性の咳ー

疾患

慢性の咳(長引く咳)がある病気

感染後咳嗽

風邪をひいて治りかけたときに出始めた咳が、ずっと長引いている状態です。
痰の絡んでいない乾いた咳、熱は出ていない、咳で体力の消耗が激しい場合は、鎮咳薬(麻薬性鎮咳薬、非麻薬性鎮咳薬)や、麦門冬湯で様子を見てもらいましょう。

痰の絡んだ咳が続いている、熱はない → 去痰薬で様子をみてもらいましょう。
乾いた咳、または痰の絡んだ咳が続く、熱がある → 他の感染症の疑いがあるので受診勧奨です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

長期の喫煙により、気道の壁が厚くなり、息が通りにくくなります。徐々に肺胞が壊され、肺の機能を失っていきます。一度壊れた肺胞は、元には戻りません。気道の分泌量(痰)が増えて、痰の絡んだ湿った咳(ゴホゴホ)が出て長引きます。呼吸がしづらくなり、少し動くだけで息切れしやすくなり、また、感染症にもかかりやすくなります。

すでにCOPDと診断され、病院で治療を受けている人

禁煙補助薬を求めて来られることがあります。
ガムタイプ、パッチタイプ(第一類医薬品:2021年7月現在)があります。ガムタイプを初めて使用される方には、使用方法を説明できるようにしておきましょう。

復習・参考 禁煙補助薬

ヘビースモーカーで症状も進行しているのに、受診せず、市販薬で何とかしようとしている人

ダスモック(清肺湯):症状を緩和します(肺そのものの機能が回復するわけではありません)。
去痰薬:痰の排出をスムーズにします。
治療も禁煙もしていない方には、早めに受診することをお勧めしましょう。

治療中の方も、治療中でない方も、基本、鎮咳薬は使用しません。

ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)

高血圧や心疾患に処方される(全ての方ではありません)お薬です(登販教科書にも登場したと思います)。

ACE阻害薬とは → ACE阻害薬

この薬の副作用として『空咳』があります。これは、副作用による咳なので、市販薬で対処するのではなく、主治医に相談されることをお勧めします。
高血圧や心疾患で服薬治療中の方の場合は、副作用の可能性も視野に入れて、慎重に対応しましょう。湿性咳嗽の場合は、可能性は低いと考えてよいと思います。

胃食道逆流症

胃の入り口の筋肉の締まりが悪くなり、胃酸が食道の方へ逆流してしまう病気です。食道が度々酸性の強い食物に刺激されて、炎症が起きます。食べてすぐ横になることを続けていると、発症しやすくなります。

|主な症状|

①胸やけ
②口に酸っぱいものが上がってくる
③ゲップが多い
④喉のイガイガ感
⑤声が枯れる
⑥咳(空咳)が出る(体を横にするとひどくなる)

⑥を訴えて来られた方に①~⑤の質問をして、胃食道逆流症の疑い(特に①、②の症状)があれば、鎮咳薬は効果がありません。
なるべく受診勧奨ですが、薬剤師さん在籍の店舗ならガスター10で相談してみましょう。在籍していない店舗、または薬剤師さん不在時間帯の場合は、ガストールで様子をみてもらいましょう。

咳喘息

ハウスダスト、花粉、エアコンなどのカビ、運動、体が温まったり逆に冷えたりした時、ペット、たばこの煙など、様々な原因で発症します。喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)や呼吸困難はありません。夜間から朝方にかけて咳こむことが多いです。気管支拡張薬で効果があるのが特徴です。喘息には分類されず、慢性的な咳が続いているのに、治療をしないでいると、本格的な喘息(気管支喘息)に移行してしまう可能性が高くなる、『喘息の前段階』の状態です。

咳喘息と診断され、すでに医療機関での治療をしている方の医薬品の選び方は、気管支喘息の方と同じです。

コデイン類配合薬(鎮咳去痰薬、総合感冒薬)、NSAIDs配合薬(解熱鎮痛薬、総合感冒薬)は、症状を悪化させたり、喘息を誘発する恐れがあるので使用しません

OTC医薬品の気管支拡張薬で、効果があったとしても、長期使用せず、必ず受診するように伝えましょう。

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